都内の移動にとても便利な電動キックボード。
筆者も公道走行可能なキックボード「Zero9」を購入して以来、移動に大活躍していましたが
ついに事故を起こしてしまいました…。
生身の体で乗る上にかなりスピードも出るので、常々危ないなとは思っていましたが、やはり危なかった!
電動キックボードで転倒事故を起こしたらどうなるのか、警察の対応や自賠責保険の範囲などをレポートします。
電動キックボード事故の原因
事故は車通りの多い交差点で起こりました。
大通りの左車線をいつものように制限速度である30キロくらいまで飛ばしていたところ、信号が赤信号に。
ふと横からタクシーが左車線に入ってくるのに気づかず、ぶつからないように止まろうとしたところ、急ブレーキとなってしまいました。
電動キックボードは右手のブレーキが前輪、左手が後輪にかかります。
慌てて力を入れたため、おそらく利き手の右手に力がかかってしまったのでしょう。
前輪に力がかかった車体は、後輪が浮いてひっくり返り、乗っていた私は右手の車道に投げ出され、キックボードの下敷きになってしまったのです。涙
右手と右足を負傷し、打撲と流血、肘の骨にはヒビが入る事態となりました。
とはいえ信号待ちだったので、後続車に轢かれなかったのが救いです。
車体が軽い上に、車種にもよりますが時速30キロ以上が出せてしまうので、
急ブレーキをかけたときや、道路に凹凸がある場合、道路が滑りやすくなっている場合や急カーブなどは容易に転倒してしまうのがキックボードの怖いところです。
事故を起こしたらどうする?自損事故では自賠責保険は使えない
警察で事故証明を受ける
打撲でクラクラしたものの、ヘルメットをしていて頭は打っておらず、歩けたので救急車は呼びませんでした。
ちょうど交差点で近くに交番があったので、流血する身体を引き摺りながら交番に寄ってみました。
どんなに小さな物損事故であっても、ケガ人がいなくても、事故を起こしたら直ちに警察へ届け出る必要があることは、道交法72条1項にて義務づけられています。
これまであまりキックボードの事故は扱ったことがなさそうで、交番の警察官も戸惑っていましたが、事故処理の担当者が扱うということで、到着するまで20分ほど待ちました。
事故処理担当はその場で実況見分を行い、キックボードの状態や事故の状況、免許証などを確認します。
その結果が各都道府県にある自動車安全運転センターに提供され、「交通事故証明書」が発行される仕組みになっています。
ただし、今回は自損事故で物損もありませんでしたので、保険に必要な事故証明は必要なく、記録のみでした。
もしこれが人にぶつかったり損害を与えた場合は、保険金の給付を受けるためにも、警察に届け出をして事故証明をもらうことが必要となります。
交通事故証明書に記載する内容は以下の通り。
- 事故発生の日時
- 発生場所
- 当事者の氏名、住所
- 車両番号
- 事故類型 など
ちなみに当然ですが警察ではキックボードを預かってくれませんので、怪我をしながら自力でキックボードを引きずって自宅までそれなりの距離を持って帰るのは結構大変でした。
保険会社に連絡する
電動キックボードは道路交通法の扱いとしては原動機付自転車として扱われるため、自賠責保険は必ず加入する必要があり、法律上(自動車損害賠償保障法)の義務となっています。
違反した場合は1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が課せられます。
自賠責保険とは人に損害を与え、その方が亡くなったり、後遺症が残ったり、傷害を追った場合に保障してくれる保険。
そう、自損事故では自賠責保険はおりないんです。
自損事故は自賠責保険の対象外ですので、自分が怪我をしたとしても、自分には1円も入りません。
念のため、保険会社に電話で報告してみましたが
「自損事故でしたら今回はお役に立てることはございません」とキッパリ言われました。笑
自損事故でない場合は、保険会社に連絡して、事故の状況などを必ず報告する必要があります。
保険証に連絡先の電話番号が記載されていますので、キックボードで移動する際は、必ず保険証を持ち歩くか、
持ち歩けない場合は写真を撮ってスマホに入れておくなどしておくと便利です。
筆者の場合は自賠責保険は使えませんでしたが、会社で入っている健康保険からは、治療費が自己負担限度額を超えた場合に給付金が出ます。
筆者が加入している健康保険は付加給付制度を実施しているため、
保険医療機関等で受診した際の支払額(「入院」「外来+調剤」別)が20,000円を超えたときはその超えた額が一部負担還元金等(付加金)として給付されます。
その場合、病院で診察を受ける前に電話で健康保険証にある電話番号に連絡して事故を申告し、病院に健保の担当者名を伝える必要がありました。
また、後日、健保宛に事故の状況を記録する報告書を記入して返送する必要があります。
なお、健康保険で怪我の治療費は補償できても、建物や物を破損してしまった場合などは保険がおりません。
店舗や商業施設などを破損してしまったら、状況によっては高額な請求が来ることもあり得ますので、いざという時のために、バイク用の任意保険に入ってもいいかもしれません。
病院に行く
今回は歩ける程度の怪我でしたので救急車は呼びませんでしたが、近くの総合病院は初診を受け付けておらず、
お盆で空いている病院も少なく、少し離れた駅の小さな整形外科で診察を受けました。
むやみに救急車を呼ぶべきではありませんが、自力で帰った場合は、病院探しも一苦労かもしれません。
自分では大丈夫と思っても、骨折やヒビが入っていることもありますので、事故で怪我をしたら速やかに病院に行くことをお勧めします。
キックボードは危険?安全に乗るために気をつけること
キックボードがかなり危険な乗り物であることは間違いありません。
安定感のないボードの上に生身で乗る上に、今の日本の道路交通法では歩道走行が認められておらず、
車と一緒に車道を走らなければならないのが一番危険だと感じる点です。
軽いので車とぶつかったら簡単に飛ばされて大惨事となってしまいます。
安全運転をしたいところですが、車道であまりスピードが遅いとかえって危ないこともあり、
どのくらいのスピードで走行するかは、かなり慎重に状況を判断する必要がありそうです。
アメリカの研究によると、2014年から2018年の間に電動キックボード事故で入院した患者は365%増加し、総数は3,300人だったそうです。
これから普及が進むに従って、日本でも死亡事故なども増えかねないと懸念しています。
自戒を込めて、電動キックボードで事故を起こさないためには、法律でも決まっていることですが
以下を遵守することが大事だと思います。
安全にさえ気をつければ、楽しくて便利な乗り物ではありますので
筆者も怪我が治ったら、より安全運転に気をつけてして走行したいと思っています。
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